火縄銃男子「佐野翔平」の徒然日記

音声配信「現代に生きる武士の徒然配信」を紹介しています。

火縄銃界が抱える問題

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さて本日のテーマは「火縄銃界が抱える問題」というテーマでお話ししようと思います。

 

今日はですね「射撃の日」です。

射撃の日っていうのは、僕自身が月に最低1回は”射撃の練習”に行っている日ということで、今日はすごい早起きして収録しています。

 

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実際の射撃練習風景

 

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で、何で火縄銃界が抱える問題についてお話しようかと思ったかというと、

鉄砲の練習に行くんですけども、改めて「火縄銃界って今どういう現状なんだろうな」というのをお話ししてみたいと思いました。

 

 

そもそも、火縄銃って撃てるの?っていう人も多いかと思うんですけど

現代において火縄銃の演舞、お祭りとかでパフォーマンスすることですね。

型だったりとか所作、後は戦術を模倣して、こういった動きをしていたんだよっていうのを伝えるパフォーマンスをすること演舞っていったりするんですけど

それとは別に射撃競技っていう実際に弾を発射して的を撃って、その得点を競い合うっていうスポーツ射撃のジャンルもありますね。

 

一応、その実弾射撃を行うっていう点においては、ある特定の団体に所属していることっていうのが条件であったりとか、

火薬の消費許可とか購入譲り受け許可だったりとか、いろいろ行政、というか警察ですよね、を含めていろいろと許可が必要になってくるので、

その時点でなかなかハードルが高かったりします。

 

今日はその”日本前装銃射撃連盟”についてもう少しお話しをしようかなと思います。

 

日本前装銃射撃連盟のホームページの冒頭部分を少し読ませて頂きます

 

当会、日本前装銃射撃連盟は、スポーツとして前装銃射撃を実践研究し、古式道としての砲術の伝承を図りつつ、また世界に誇れる日本の文化として、その歴史や背景を考究しようとする団体です。 前装銃とは、先込め式鉄砲のことです。現代の銃砲とは異なり、筒先から火薬や弾丸を込める古い型式の鉄砲のこと。英語ではマズルローダー(Muzzle Loader)と云います。日本では火縄銃が一般的です。

 

我が国へ火縄銃が伝来して以来、日本人はたちまちその技術を吾が物とし、その製造システムと活用を短期に全国に広めました。これは世界でも類のない歴史です。またこの時初めて日本にネジが伝わり、今日の我が国の工業技術発展の要諦となったことは大事なポイントです

 

 

…と。

 

あと、つらつら続いたりするんですけど、続きが気になる方は実際にホームページを検索してみていただければなと思います。

 

🔻「日本前装銃射撃連盟」公式サイト

https://zensoujyu.sakura.ne.jp/

 

 

 

今説明しましたように、この日本前装銃射撃連盟っていうのは、

古くから伝わる砲術だったりとか、技術っていうのを実践研究するという目的のもと射撃もやってるんですけど、

ただ、射撃で技術を研究するというだけでは広がりがないよねっていうところで、

海外にもあるスポーツ射撃っていう世界に道を開いて後世へ伝承をはかろうという、そういう目的があって活動している団体になります。

 

僕自身もその射撃連盟に所属していまして、実弾射撃競技選手として練習しています。大会に出たりとか、もちろん研究もしたりしています。

 

で、火縄銃界が抱える問題っていうテーマでお話をしているんですけど

そもそもですね、こういう団体が存在してる事っていうのを知らない方の方が多いと思います。

 

なので、問題の一つとしては

 

①「伝え方の幅の少なさ」

 

というのがありますよね。

あとは、

 

②「後継者不足」。

 

次世代を担う人材がいない。

そりゃそうですよね、認知されてないので、やりたいとも思わないですよね。

あとは

 

③「火縄銃の絶対数の減少」。

 

これはもう古式銃っていうカテゴリーで残されているものは少なくとも150年以上前のものになります。

何年より前に作られたものしか古式銃としての登録は認められない、ということでそうなっています。

で、もちろん古いので手入れとかをしなかったり、どこかに行ってしまう(海外に流出する等)ってこともあったりするんですけど

新規に製造ができないので絶対数っていうのは、(あり得ないんですけど)横ばいになることはあっても、減っていくことしかない。

増えていくことはありません。

 

まれに元々日本にあったものが海外に行って、

それがまた日本に戻ってくるっていうパターンもあります。

(めったにないですけどね。笑)

 

でも、その時だけは国内にある絶対数が増えます。

けどレアケースですね。その場合は。

 

やっぱり「②後継者不足」っていうのは今この現代社会においてどういった業界にも共通することだと思いますが

そもそも人口が減少してるって言うのもあるので、その人材の取り合いみたいなのは各業界で起きてると思います。

 

なので火縄銃界においてもやっぱりその高齢化っていうのは進んでいて

僕の場合は20代でこの射撃連盟に所属させて頂いてるんですけど、僕が入った当時20代は一人もいませんでした。

最近22~23歳ぐらいの子が入会してきましたけど、その子がどれぐらい続くのかっていうのは僕には分からないので

一緒に頑張っていけたらいいなっていう風に期待はしています。

 

「③絶対数の減少」というのは、これはもう文化財を使っている以上、避けられない問題であって

これをもし問題解決するのであれば、海外で行われているようにレプリカの製造を許可していただいて

そのレプリカを使って射撃競技をしたりパフォーマンスをしたりする。

つまり文化財としての火縄銃を使用しないっていうのが一番の対策になるんじゃないかなと思っています。

 

やっぱり火薬を使って撃っているので、少なからず銃身自体にストレスがかかっています。

何年かに一度は、やっぱり火縄銃自体が破損してしまって、もう使い物にならないよっていう風になってしまうパターンも0ではないので

やっぱり年々減っていってしまうことの方が多いです。

 

あとは、「①伝え方の幅の少なさ」っていう問題もあります。

やっぱりですね、年齢層がは割と上っていうこともあって、SNS だったりとかインターネットですね、そういったものを介しての情報発信っていうこと自体をあまり良く思っていない方も多いです。

 

そもそも日本の文化的なところもあるんですけど

やっぱりそういう技術の伝承だったりとか伝え方において、元々そもそも口伝が多いんですね。

口伝というのは、口で伝える。後はもう一対一で対峙して手取り足取り指導するっていう伝え方。

やっぱり巻物とか、書物とか、そういった目で読めるようなもので技術とかを残したりすると、盗まれてしまう恐れがある。

昔は、そういう重要な情報や技術なので、敵軍とかにそういったノウハウが流出してしまうと、やっぱり自国の危機になってしまうというのがあったので

あんまり情報を(形として)残したがらない。

伝えたがらないっていう文化みたいなところは正直あります。

 

ただやっぱり、これから先に残して伝えていくっていうことをやっていくのであれば、その辺の折り合いはつけなきゃいけないなっていう風に思っていて、

もちろん全てが全て、一から十まで重要なところまでインターネットや形ある物を使ってただただを発信していくのがいいとは思わないんですけども、

とはいえ、やはり後継者不足ということもありますので、やっぱり認知してもらうっていうのは重要なことなんじゃないかなって思っています。

 

現代においては手紙とか巻物っていう伝え方ではないので、やっぱりYouTube だったりとか SNS ですよね Twitter とか Instagram Facebook 、他にもあると思うんですけど

そういった様々な情報発信ツールを駆使して伝えていくっていうのがベストとは言わないですけど、方法のひとつとしてはいいんじゃないかなと思っていたりします。

 

僕は割と若い世代なので、そういう SNS とかに対する抵抗というのは少ない方です、正直。

だから、何でそこまでインターネット上で情報発信することを毛嫌いするというか、嫌がるのかな?っていうのは正直疑問であったりします。

 

確かに間違った情報が流れてしまうとか、間違った印象を伝えてしまうかもしれないっていうリスクはあります。

リスクはあるんですけど、そもそも認知されることがなければそれ自体が存在していた事さえもなくなってしまう。存在していないのと一緒になってしまう。

知らないってことは、存在していないのと一緒なんですよね。

だから、入り方がとてもミーハーな入り方だだとしても全然問題なくて

そこから先にもっと本物を知りたいっていう探究心をくすぐられるような伝え方を僕らができれば問題ないんじゃないかなって思っています。

 

だって、僕も一番最初はやっぱり「戦国時代かっこいいな」とか「火縄銃かっこいいな」っていう、そういう気持ちで始めたので

最初からガチガチに「日本の伝統文化をしっかり伝えていかなきゃダメだよね」っていう風な感じじゃなかったんですね。

 

実際、今火縄銃をやってる人たちも最初からそういう「研究家でなんとかしなきゃ」っていう思いでやってた人って、本当にほとんどいないと思います。

なので、まずは知ってもらう、伝えるっていうことが大事で、そこから先どういう風に残していくかというのを同時進行で進めていく方がいいんじゃないかなと思います。

 

やっぱり伝える人もどんどん減ってきているので、伝える人も増やしつつ伝え方も研究していく。

技術を研究していくのももちろんなんですけど、同時にこれから先どうやって残していくかっていう伝え方の幅の少なさの問題を解決していくっていうのも

これからの僕の役目。そして僕らの役目。

一緒にやってくれる人とか、やってる人とかってのはまだ出会ってないだけでいるかもしれないので、「僕ら」の役目、なんじゃないかなと思っていたりします。

 

ちょっとね、こういった問題になると熱くなって長く喋りすぎてしまうので(笑)

また改めてどこかで込み入った話ができたらいいなと思っています。

 

それでは、そろそろ出発しないと射撃練習に間に合わなくなっちゃいそうなので終わりたいと思います。

 

 

それでは素敵な1日をお過ごし下さい。

佐野翔平でした。 

 

 

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