実弾射撃競技の先に見ている世界
さて本日のテーマは「実弾射撃競技の先に見ている世界」というテーマでお話ししようと思います。
僕がですね、火縄銃の実弾射撃競技というものの選手をやっています。
火縄銃の実弾射撃競技って言うと何をやるのかと言うとですね、
50M 先に標的を設置して、その得点を競い合う競技です。
そもそも火縄銃って撃てるのかとか、弾を撃っていいのかとか、そういった疑問とかも出ると思うんですけれども、一応合法です。
日本前装銃射撃連盟っていう連盟に所属していまして、一応「スポーツ射撃」っていうカテゴリには入るんですけれども、
元々の目的が、古くから伝わる射撃射法の操作方法だったりとか、あとは所作とか、そういった礼法とか、そういったものをちゃんと残していくっていう目的でそもそもやっています。
で、この実弾射撃競技っていうのがですね、実は世界でもある競技になってまして、
火縄銃とかは前から弾を込めるので”前装銃”っていう風に言いますが、
その前装銃っていうカテゴリで世界大会がありまして、この火縄銃の射撃大会に関しては確か19カ国の加盟国があります。
日本もその中の一つで、射撃大会は世界大会もあるんですけど、その開催国っていうのが加盟国の持ち回りでやってるんですよね。
持ち回りでやってるとなると日本でも開催する時が来るんじゃないかって思うんですけど、
実は日本ではそういう環境が整っていなくて、開催できません。
なので、世界大会に来年多分出るんですけど、その時にはおそらくヨーロッパの方の加盟国のどこかで開催されるのでそちらに行くことになります。
実弾射撃競技の先に見ている世界というテーマで話してお話をしてるんですけれども、何をしていきたいかと言うとですね
そもそも実弾射撃競技っていうものが日本には浸透していないですよね。
で、その世界の世界大会の火縄銃の実弾射撃競技のその火縄銃っていうカテゴリに関しては競技名がすごいんですよ。
何がすごいかっていうと、
種子島っていうとね、火縄銃が伝来してきた当時に種子島って呼ばれていましたよね。
で、団体戦が長篠って言うんですよね。
長篠の戦いは、織田信長が武田軍を鉄砲をたくさん使って倒したっていうところから多分来てると思うんですね。
なんでそもそもこの火縄銃っていう競技名が日本名なのかって言うとですね、
前装銃って一口に言っても火縄銃以外にもたくさんあるんですよね。
もともと海外の銃だったので。
なので、世界大会において火縄銃っていうカテゴリ自体はそんなに古くないんです。一番最初からあったわけじゃないんですよ。
で、”ある時”をきっかけに火縄銃っていうカテゴリーが追加されましたね。
その”ある時”っていうのが日本人が火縄銃を携えて世界大会に挑戦した時なんですよ。
日本人がその火縄銃の性能とか流儀というものをその世界の前装銃の大会の時にを披露する場面があったんですよね。
で、その射撃性能と流儀の素晴らしさっていうものがその連盟に伝わって、火縄銃っていうカテゴリも追加しましょうという話になったんですよね。
そこから火縄銃の競技種目がその連盟の中に追加されました。
まあ言ってみれば、これは日本人が世界に通用する技術を証明したっていうか、
日本に素晴らしい技術とか技とか、そういった火縄銃っていうものがあるんだよっていうのを世界に認めさせたっていう事実があるわけですね。
それ以来、火縄銃っていうものがカテゴリーとして追加されて以来、
何年か前は、毎年のように日本人選手がその世界大会に行っていたみたいなんですけど、
もうここ数年…数年といっても多分10年近くは日本人選手が海外に挑戦してないんですよね、世界大会には。
シンプルに、競技人口が減ってしまったっていうのと、技術レベルが落ちてきている。
そりゃそうですよね。
競技人口が減って、競争率が下がればやっぱり技は廃れますから。
そうなってくるとだんだん、せっかく日本のためにできたカテゴリーなのに、結局は世界の人達に取られてしまう。
一旦は日本ってすごいよね、みたいな感じになったのにそれがまた、だんだん無くなっていってしまう。
それが寂しいなっていうのがあるので、もう1回、日本人が日本人のためにその競技種目の道を切り開いてくれたのに、そこに日本人が挑戦しないっていうのはやっぱりもったいないなっていうのがすごいあって、
先人がいろいろ開拓してきてくれたので、僕はそこをやっぱりちゃんと受け継いでいきたいなっていうのがまず一つありますね。
で、今の日本のレベルだと、日本の技術レベルが世界大会で言うと7位とか8位とか、入賞するかしないかギリギリのラインなんですよね。
なのでいきなり世界一とるぞって言ってもまあまあ難しいんですけど、まだ日本にそういう技術を持っている人間がいるんだっていうアピールにはなると思うんですね、挑戦すれば。
この先まだ何年もあるのでは少しずつその世界一に近づけていけたらいいなっていうのがあります。
世界一とかになってくると、やっぱり日本でも火縄銃の実弾射撃競技っていうものが存在しているって言うのが広めやすくなると思うんですよね。
広めていったら、やっぱりその競技人口も増やせるじゃないですか。
競技人口が増えれば、もっとこう切磋琢磨すると言うか、プレイヤー同士の競い合いによって技術レベルが上がっていくんじゃないかなって思っています。
まあ理想ですよね。そうなるか分からないですけど。
そもそもその実弾射撃競技で活躍すると、こんな良いことがあるよっていうメリットみたいなものがないと、始めるきっかけになれないかもしれないですよね。
好きだけでやるって言うのは限界があるので。
なのでメリットってのを作り出していくのも僕の使命かなと思っています。
後は、日本でじゃあどうやってやるのか。
海外でたくさん流行っている理由ってのが、そもそも海外なんかは武器が禁止されてないっていうのがあるので、新規にその銃を作ったりするのが日本に比べると容易なんですよね。
もちろん、海外で火縄銃って言っても数は限られているんですけど、競技人口が多い理由としては、レプリカが作れるっていう。
レプリカっていうのは、現代の材料とか技術で当時のものを復元(複製)する。
もちろんその動作とかからくり自体は全く同じで、オリジナルと同じなんだけど、素材が良くなっているとか、現代の技術で作るので丈夫だったりとか、
安全性能はそのオリジナルよりかは担保されてると思います。
そういったレプリカを作るっていうことが日本でも許されるようになれば安全性とか競技性が増していくと思うんですよね。
そもそも今は、みんなオリジナルの火縄銃を使ってるので、選手ごとによって持っている銃が違うんですよね。
そうすると、例えば同じ技術レベルだったとしても使ってる銃が違う時点でその成績にばらつきが出ますよね。
なので「お前その銃をもってるからいい点数取れるんだよ」みたいな、そういう話も出てきちゃうんですね、実際の話。
ただ、みんな同じ銃のレプリカを使うのが OK になれば、銃に対するハンディキャップなくなりますよね。みんな同じ規格の銃を使ってるわけだから。
シンプルに、その選手の腕前で勝負できる、そういう環境が作れますよね。
そうなってくると、銃が一緒だからシンプルに技術レベルで勝負していこうよってなると、じゃあ俺も頑張ろう、頑張れば、練習すれば上手くなるんだっていう風になって、やりがいが出てくるわけですね。
いい銃を持ってないから勝負にならない、とならない。
練習すれば勝てるかもしれないっていう状態になりますよね。
なので、世界大会で活躍して、日本が世界に通用するもう一つのカテゴリーっていうことで、一種のブームじゃないですけど、
そういった火縄銃をもっと日本全体として推進して行こうよ!みたいな流れを作ることができれば、火縄銃に関してはレプリカ作りましょうかみたいになって
競技人口を増やしていって、日本の火縄銃は世界に通用する競技というかたちで、日本はまだまだやれるよ、みたいなのを火縄銃っていうカテゴリーでも世界に出して(見せて)いけたらいいなって思っていたりします。
あとは、実弾射撃競技選手って言っても、やっぱりみんな趣味の延長でやってるような人たちも多いんですよね。
実際そうなんですよ。
だけど、じゃあどうやってその実弾射撃競技の人口増やしていくかってなってくると、やっぱりさっきも言ったように、その競技選手でいることによるメリットっていうのがないとただ好きだからやるって言うだけでは限界がありますよね。
なので、そのメリットの一つとして「プロの射撃競技選手っていう新しい道を作っていきたいな」っていうのも目標の一つとしてあります。
プロの射撃競技選手って、分かりやすく言うとスポンサー様からお金を頂いてそれだけをやって生きていく、っていうことですね。
サラリーマンをやりながら合間合間に火縄銃の練習をして、世界一を獲るっていうのは…まあ難しいと思います。
正直、世界大会とかで優勝してるようなレベルの人達はもともと現代銃…ビームライフルとか、クレー射撃とか、元々スポーツ射撃競技のそのオリンピック選手だったりとか、
日本で言う国体の選手だったりとか、そういうスポーツ射撃の最前線で戦っていた人たちが、もう現代銃は飽きたから前装銃を撃とうかなみたいな感じでやってる人たちが多いんですよね。
だからもともとプロでやってたような人たちが古式銃の世界に入ってくるわけだから、基礎が違うんですよね、射撃に対する。
片や日本人は、鉄砲が好きだから、銃を撃つことが好きだからやってますっていう、サークルの延長線上にいるような人たちがやってるんですよね、趣味の範囲で。
そんな人たちがプロでやってた人達にどうやって勝つの?っていう。
そうなってくると、どっちが先かになっちゃうんですけど、
僕自身はもう本当に、今は出来る限りとしては月に1回最低は練習に行く。
本当にそれはもう、金銭的にも時間的にも月に1回行けるか行けないかっていうのが 今のギリギリのラインなんですよね。
なので、その中で結果出して行かなきゃいけないんですけれども、
どこかで毎日練習できるくらいのレベルに切り替えて行かない限りは、世界でトップを走り続けるっていうのはなかなか難しいんじゃないかなと思います。
でも、世界一になれるといったらね、スポンサーさんも協賛金を出すメリットは無いとも言い切れないと思うんですよ。
世界一ってなかなかじゃないですか、世界一なるのって難しいと思うんですよ、どのカテゴリーにおいても。
火縄銃に関しては、競技人口が少ないからっていうのもありますけど、狙い目だと思うんですよね。
だから、僕が今何をやってるかって言うと一応コミュニティ型ファンクラブもやってまして、月額500円からなんですけども。
伝統屋暁だったり、ダンボール甲冑教室だったり、射撃競技選手としての活動を応援するよっていう方が会員になっていただいているんですよね、ありがたいことに。
で、個人スポンサーみたいな形で資金提供をして頂いてます。
例えば、月に1回しか行けない練習の試験を月2回行けるようになるとかね。
活動自体を応援してくれてるので、いろんな活動資金に充てさせてはいただいてるんですけども、
そういった形で 大きいスポンサーがつくまでは個人スポンサーの方に応援していただくことによってその可能性がどんどん増えていくっていう状況で今はやっているんですよね。
いつかはその人たちに恩返しできたらいいな、と思う気持ちで活動しています。
とにかく、実弾射撃競技でその活躍していくことによって、その先に見ている世界っていうのは
射撃競技をもっと日本で定番の競技にして、日本が世界に通用するんだよってのは見せるきっかけになればいいなっていうのがひとつ。
それによって火縄銃競技人口が増えることによって、得た技術を残すとか、そういったもの残すための人が増えるって言うことに繋がるんじゃないかなとは考えています。
あとはそういうところを目指す人たちにとってメリットになるベースを作りたい。
プロの射撃競技選手なることによって、そこを目指そうっていう人がもしかしたらお金目当てでもいいんですよね、技術が残れば。
お金目当てでもいいので、そこを目指してもらって技術を一つでも多く残して行きたいってのが僕の目標になります。
あとはそのレプリカを作って、それを使用することによってオリジナルの消耗を減らすことができるって言う狙いもありますね。
今実際使っているのは文化財なので、文化財を使って演舞したり競技してるわけですから、それらを傷つけない・ストレスを与えない・壊さない。
いい状態で後世に残していくこともできるので、博物館とかに入れてね。
なのでそういった昔の物をちゃんと良い状態で残していくために、レプリカの製造を日本で出来るようにしていくための活動をしていかなきゃいけないですよね。
そのための一つが、実弾射撃競技で世界で活躍するってのがあると思っています。
他にもアプローチする方法はあると思うんですけど、今の僕が一人でできることといったら、とにかく世界を取ることに限ると思っています。
ということで実弾射撃競技の先に見ている世界というテーマでお話しさせていただきました。
それでは素敵な1日をお過ごし下さい。
佐野翔平でした。
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